劣等感を感じることはありませんか?
劣等感は文字どおり「劣っている」という感情ですが、強い劣等感をいつも感じていると気分がよくありませんし、うつ病などに進行しやすくなります。
著者は劣等感は持つ必要がないし、劣等感は解消できると考えています。
しかし、現代社会では何かにつけて比較されたり、比較したりする機会が多く、劣等感を感じる場面は増えています。
この記事では、劣等感が起こる原因、どんな人が劣等感を感じやすいか、強い劣等感を克服する方法について解説します。
劣等感と自信のなさも関係あります
⇒「自信がない人が自分に自信をつける6つの方法」
■劣等感とは?
劣等感とは、他者や自分の理想と比べて「自分が劣っている」という感情のことです。
劣等感は、職場での昇進、評価、容姿、性格、学業の成績など、さまざまな場面で起こります。
劣等感は自分に対する自信にもつながっていて、テレビでよく見るような有名人にも劣等感があったりします。
多かれ少なかれ、多くの方が劣等感を持つ時期があります。
著者は学生時代は劣等感を持つことが少なかったのですが、仕事で独立してから、劣等感に近い感情を感じることがありましたが、今では工夫することで、劣等感からは解放されています。
また、生徒さんのなかにも劣等感で苦しむ方が多く、その現場体験も踏まえて解説してみます。
■劣等感には二つある
劣等感とひと言で言っても、大きく分けて二つあると感じています。
一つには向上心の強い人が持ちがちな劣等感。
自己肯定感は低くなく、「こうありたい」といった理想像も持っています。しかし、ライバルと比較することで、「自分はまだ○○を達成していない」「○○ができない」と思い込み、劣等感を感じるものです。
向上心が旺盛なため、「ライバルに追いつきたい」という気持ちが強いのですが、劣等感を持つことでエネルギーの無駄が生じている状態です。
もう一つには、本当の意味の劣等感。
子ども時代からこれまでたくさん比較をしてきて、そのたびに劣っているのが当たり前になり、向上心も理想像も失ってしまった状態。「自分には価値がない」と思っています。
潜在意識レベルのビリーフに「自分は劣っている」「自分はダメだ」「自分には価値がない」といったものがあるので、別個の対処が必要になります。
どちらに焦点を当てるかで、劣等感を解消する方法も変わってきます。
■劣等感が起こる原因
劣等感は、前述したように、他者や自分の理想と比べて「自分が劣っている」という感情のことです。
しかし、本当の意味の劣等感を持つ方は、何かと比較することなく、デフォルトで「私は劣っている」と感じてしまいます。そのため、ネガティブな感情が続きやすく、うつ病に移行しかねません。
■どういう人が劣等感を持ちやすいか
劣等感を持ちやすい人には、特徴があります。
向上心が強い
意外かもしれませんが、向上心が強くリーダータイプの方は、理想像を強く持っていますので、劣等感にさいなまれることがあります。
職場の同期が一足先に昇進したりすると、メラメラと嫉妬するような例です。
完璧主義、潔癖
「100点でなければ0点と同じ」といった潔癖な完璧主義を持っていると、欠けていること、ネガティブなことに目が向いてしまいます。自分が80点、90点ぐらい取れているのに、その80点、90点に目が向かず、自分を認めることができないのです。
競争を好む
また、何事にも競争を好む人は劣等感を感じがちです。「どちらが上、どちらが下」にばかり意識が向くと、人生の大事なことを忘れてしまいがちです。
自己肯定感が低い
「自分はこれでいい」といった自己肯定感が低い方は、劣等感を持ちがちです。
低い自己肯定感を補うために競争して勝とうとするため、ライバルとの比較で劣等感を感じるのです。
自己肯定感が非常に低い人は、劣っているのが当然なので、あえて競争したり、比較したりしません。しかし、萎縮しているためミスが起こりやすく、それをとがめる職場の上司や同僚の心ない言葉に傷ついて、「私は劣っている」と感じています。
親に無条件で愛されなかった
親がいいときも悪いときもあなたを認めてくれ、愛してくれたら、「私は私でいい」と思えるでしょう。しかし、そのように無条件で親に愛される経験を持たない人は、比較して競争に勝つことで愛されようとするでしょう。また、親に無条件で愛されなかったから、それだけで「自分は劣っている」と結論づける人もいるでしょう。
視点が一つ
劣等感を感じるとき、あなたが劣っていると感じる事項が、実はあなたにとってはとても大事で、それがないと人生に意味がないと思うほどです。
給料の金額、パートナーの有無、有名かどうか、背が高いか低いか、美人かそうでないかなどの一点だけがあなたにとって大事になっています。本来はその人の魅力は多様な視点で見ていいわけですが、劣等感を感じるとき、視野が狭まって、視点が一つになっています。そのため、自分のいいところに気づかない状態なのです。
日本人のコミュニケーション
また、比較して自分の立ち位置を常に測ろうとするのは、「空気」や和を大事にする日本人特有の行動様式です。
初対面でも年齢や出身地、出身大学名などを聞きたがるのは、「比較をしてどちらが上、どちらが下」に意識が向いているからです。そのため、気づかないうちに、日本人は比較をしてしまい、劣等感、優越感を持ちがちです。
■強い劣等感を克服する方法
強い劣等感を持っていると、萎縮したり、攻撃的になったり、マウントしたりして、スムーズなコミュニケーションの妨げになります。
何より、自分が苦しくなります。
ここでは、劣等感を克服する方法を5つ採り上げてみましょう。
比較をやめる
劣等感は比較から起こるものなので、比較を止めると劣等感は起こりにくくなります。
誰かと比較しないと、成長できないなどと、心配する必要はありません。
比較して「勝った負けた」だけだと、結局劣等感と優越感のはざまに翻弄されるだけです。自分のベストを出すというプロ意識があれば、あなたは成長できます。
そして人はベストを尽くすことしかできないのです。
SNS
比較を止める方法として有効なのが、SNSです。
他人と比較したい人は、ついついSNSをのぞき込んでライバルの動向を探ろうとするでしょう。そして、ライバルが優れていることを知り、劣等感に落ち込む。
もしそんな状態なら、あなたのライバルのフォローをやめたりブロックしたりして、ライバルが見えないようにしてください。
ライバルが見えなければ、その人は存在しないに等しい。
あなたの心が乱れないようにするなら、この手も有効です。
環境を変える
SNSの例と似ていますが、ライバルの情報が届くから、比較したくなるのです。
環境を変えることを考えてみてください。
職場なら、転勤、部署替えなどがあるでしょう。物理的に距離を取るだけでも効果があるかもしれません。
それぞれの役割があることを知る
スピリチュアルとも関係ありますが、「人にはそれぞれの役割がある」ことを知るのが大事です。
向上心のある人は、ライバルが一歩先に進むと、気になったり、劣等感を持ったりするのかもしれませんが、そもそも人は同じゴールを目指すのではないのです。
ある人にはAというゴールが、あなたにはBというゴールがあります。
あなたはBというゴールを目指してるはずなのに、Aというゴールを実現した人に嫉妬したりするのは、勘違いでしかありません。
Aというゴールとは違うけれど、あなたの魂にとってはBというゴールがとても大事なのです。
背が低いのも、容姿が恵まれないのも、肉体的な問題にも理由があるのです。
あなたと他者は別の役割がある。
同じようにならなくていいのです。
筆者はこれが本当に腹に落ち、受け入れたとき、もう他人と比較して嫉妬したり、優越感を持ったりすることはなくなりました。
日本を辞める
日本に住んでいると、他人と比較して自分の立ち位置を知ろうとするのは当たり前に思えます。
しかし、この傾向は日本人固有のようです。
筆者はオランダに住んでいますが、オランダ人はまったく他人を気にしません。
そのため、オランダの家の窓にはカーテンがかかっていません。
カーテン屋さんも少ないです。
カーテンがないのに、上半身裸の男性が部屋にいたりします。
他人が自分をどう見るかも、自分が他人をどう見るかも、関心がないのです。
関心があるのは自分と友達。
他人との比較なんて一切興味ありません。
日本人は外国人が自国をどう思うか気になって、外国人に「日本をどう思いますか」などと質問をしてしまいがち。
ところが外国人にとって大事なのは、「自分たちが自国をどう思うか」なので、この質問が自体がナンセンスに思えるのです。
僕たち日本人は他人を気にしすぎです。
あなたが他人を気にする日本人を少し辞めてみませんか?
他人がなんと言おうといいじゃないですか。
あなたの人生なのですから。
ビリーフを書き換える
これは本当の意味の劣等感を持つ方への解決策です。
「ビリーフを書き換える」です。
詳しくは
⇒「ビリーフとは? ビリーフが人生を決めてしまうすさまじい力を解説」
向上心が強いわけでもない、ライバルがいるわけでもない、比較するわけでもない、なのに劣等感を感じるなら、潜在意識レベルにあるビリーフ(信念)に「私は劣っている」という情報が書き込まれている可能性が高いです。
これは主に、子ども時代の生育歴に関係します。
そのなかで、親の何気ないひと言に傷ついたり、学校で成績で恥ずかしい思いをしたり、家庭の複雑ないざこざから起こったりします。
幸い、このビリーフを書き換える方法が存在します。
筆者は、比較ではない劣等感を解決するには、ビリーフ書き換えが最速だと考えています。
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